門限の9時

だんだん未来広がってく

夜更かししてPRODUCE48を観ている

PRODUCE48にハマっている。
毎週金曜の放送がとにかく楽しみだ。
もともと、このプロジェクトの動きはなんとなく知っていたけれど、韓国のアイドルと日本のアイドルというのはあまりにも毛色が違いすぎて、企画がきちんと成り立つのか、韓国のケーブルテレビ局の番組なんて、韓国勢に偏った出来レースなのでは?もっというと、実力主義の韓国人練習生と互角に戦える日本人アイドルがいるのか?という疑問ばかりで、全くそそられなかった。

ところがだ。ふとツイッターを見ていたら「PRODUCE48でHKT48矢吹奈子ちゃんが1位になった」との文字。なんだって!?日本人が1位!?なこみくだったら断然奈子派だし、かわいいなと思ってたけど、そんなことある!?と、YouTubeで動画を観てしまった。さらに、偶然全く別の動機でスカパーを契約したことで、放送が観れるようになってしまった。もう、25になるおばさんは、未来ある少女たちの輝きに吸い込まれて、葛藤に感情移入している。


PRODUCE48はいいよ。
まずシステムがいい。
グループバトル評価、第1回全体評価、ポジション評価、第2回全体評価、コンセプト評価(ここまでが放送済み)、、、、など、参加者は常に評価され、順位付けされる。評価方法は、100%視聴者投票による。視聴者投票は、可愛ければ、前回の放送でスポットを当てて取り上げられれば、順位が上がるという単純明快さもありながら、パーフォマンスが良ければ票が集まり、印象に残らなければ相対的に低い順位になるというシビアさもある。
さらに、ベネフィットというシステムも良い。グループバトル、ポジション、コンセプト、各評価ごとにベネフィット得票数が決められており、1位になるとベネフィットが与えられる。
ポジション評価を例に挙げると、個人順位で1位になるとベネフィット15万票獲得できることになり、脱落圏にいた練習生が大逆転して生き残り次のステージにいけるという順位変動を起こせる。ポジション評価では、練習生がボーカル&ラップポジションかダンスポジションどちらかを選んで、さらに好きな課題曲を選び、個人個人がそれぞれのポジション1位(ベネフィット15万票)を目指すと共に、チーム内で1位になるともらえるベネフィット5万票獲得するため、センター、メイン争いが勃発。もちろんみんながやりたい曲ができるわけではない。チーム分けも順位の低い参加者から好きなチームを選び、希望が重複し定員を超えてしまったら順位の低い人が押し出されるという残酷なシステムなのだ。どれだけ歌が上手くてダンスが上手くても、票数を稼いで順位を上げなければ、自分の魅力をアピールできそうな曲に挑戦することさえできない。
1位になったチーム全員にベネフィットが入るような評価のときは、「自分は脱落圏だからベネフィットを取るためにセンターをやりたいけれど、チームでもらえるベネフィットを考えると順位が上の人にセンターをやってもらって票数を集めた方がいいのかもしれない」という葛藤が生まれる。チームで話し合って決めたセンターでも、トレーナーによるレッスンで容赦ない酷評を受けることがあり、センターに見合う実力がなければセンターの座を譲らなければならないこともある。
ベネフィットを求めるギャンブルでもあり、生き残りをかけたサバイバルでもある。そこに若い少女たちの夢や希望、涙が詰まってくると、涙なしでは見られない。
このシステム、このプロジェクトの大元である「PRODUCE101」という韓国のオーディション番組のシステムらしいが、視聴者的にはめっちゃ面白いシステムだと思う。当事者の子たちにとってはあまりにも残酷すぎるだろうけど。

PRODUCE48がいい次の理由、それが日韓合同プロジェクトなことである。
参加者は韓国の芸能事務所に所属する練習生と日本の48Gのメンバー。最初は言葉の壁、育ってきた環境の違いでぎこちなかった参加者たちだが、このプロジェクト中、共同生活で寝食を共にするというのもあり、いつのまにか「違い」を超えて仲良くなっているのである。
その友情が、またサバイバルを複雑にしていて、回り回って投票数にも繋がることもあるから怖い。
全体順位発表で脱落が決まったメンバーと生き残ったメンバーとの最後の別れは分かっていても涙が出る。それもこれも、チームで同じ曲に挑戦し、朝から晩まで練習をしてきたという時間から生まれるものだ。視聴者としても、「このチームみんな生き残ってほしい」とか「このメンバーでデビューできればいいのに」と思ってしまうが、そうはいかない。最初は96人から始まったこのプロジェクトも第3回の全体順位発表を終え20人にまで絞られた。最終的にデビューを勝ち取るのは12人だ。みんな一緒に残ることはできない。自分が残りたいと思えば、明日隣の仲間は順位を下げるかもしれないし、あの子が認められれば自分がダメかもしれない。それでも、目の前の課題曲にチーム全員で向き合う姿に心を打たれてしまうし、その先に完成したパフォーマンスがあると思うと尊いなあと思う。

PRODUCE48は、公演スタイルで、チームで練習してきた成果は、ライブ会場で現場にいる観客の前で披露し、その場で投票が行われる。この映像はyoutubeのMnet公式チャンネルからも見ることができるので見てほしいが、ステージセット・衣装・会場の大きさ・楽曲・パフォーマンス、すべてが本格的で一流のもので揃えられていて、公演は華やかすぎるほど華やかで、視聴者も見惚れてしまうし、練習生にも夢を見させてくれる。それがただの夢で終わってしまうか、夢に近づくのか、ステージ上で準備してきたものすべてを出し切った先でしか分からない。だからこそ、美しいし儚いし面白いし目が離せないなあと思いながら見ている。


「人気の48G、実力の韓国」という人がいたり、番組で取り上げられ方の差を指摘したり、実際会場に来たファンに偏りはないのか、事務所の力の強さや思惑などなど、冷静な声を耳にすることもあるが、当の本人たちは、至って真剣なのである。頑張ればデビューできる、それだけを信じて辛いことにも苦しいことにも立ち向かっている。
彼女たちを見ていると、月並みな表現だけれど、夢があるというのは、こんなにも人を強くするのだなあと思う。番組で詳しく取り上げられていない子たちにもそれぞれこのプロジェクト参加にかける思いがあって、夢があると思うと、一つも蔑ろにしてはいけないし、その力に視聴者の存在がなるなら、冷たい声より温かい声をかけてあげたい。

韓国人練習生たちはもちろん韓国でも無名な存在だし、48Gのメンバーたちも、毎年のAKB選抜総選挙で、上位で名前を呼ばれるようなメンバーたちでは正直ない。私もこれを見るまで知らなかった子たちがほとんどだ。だからこそ、彼女たちにとって、このPRODUCE48で得たものはこれからの糧に絶対なるし、誰がデビューメンバーになっても嬉しいし応援したいと思う。

私は、歌が上手かったり、ダンスが上手だったり、いわゆる「スキルのある」アイドルに強く魅力を感じるタイプだけれど、それはアイドルとして必要不可欠だとは思っていない。むしろ「なんでこの子はこんなに上手いんだろう」と想像するのが好きだし、だんだん上手くなる過程も含めてアイドルなんじゃないかと思う。スキルがあることを実力と定義されることが多いけれど、アイドルの場合、実力の定義はもっと広いと思う。韓国のアイドルは、日本のアイドルより歌とダンスに関してより本格的な教育を受けていて、スキルに関してストイックだろうけれど、今回PRODUCE48を見て、スキルがあるからと言って生き残れるわけではなかったし、彼女たちもそれを分かっている様子なのが印象的だった。きっとキャラクターや表現力、票を集める言葉や魅力、必要だと思わせる何かが必要なんだと彼女たちは分かっていて、それは普段の練習では得られるものではないんじゃないかと思う。全く違う環境で生きる日韓のアイドルたちが関わったからこその産物だと私は思っている。
昨日、第3回の全体順位発表で30人から20人に絞られて10人の練習生が脱落した。中には、個人的に好きだった練習生が何人もいて、今までで一番寂しくて悲しい回になってしまった。今回脱落した10人だけでなく、今回までに脱落してしまった全ての参加者は、生き残った参加者と比べて、劣っていたわけでも足りなかったわけでもダメだったわけでもない。それは伝わってほしいと思うし、ここでデビューすることが全てでは絶対にない。この場所から彼女たちを失ってしまった無念さは、ずっと残るだろう。でも、きっとよりよい形で、輝ける場所がきっとあるはずだし、そんな時がきっと来ると思う。
アイドルになれば幸せになれるとは限らないから、幸せを願えば願うほど、デビューのために泣いたり苦しんだりする姿でさえ心が痛いけれど、アイドルになりたいという夢を持ち続けてそんな日々に幸せを感じ続けて、またどこかで会えたらいいと思う。
これから生き残ったメンバーからもさらに脱落者が出ることになってしまうが、夢を叶える瞬間を見せてほしいと思う。
投票権もないくせにどんな目線で言っているのか、わからなくなってきたけれど、PRODUCE48はいいよ。
12人のメンバーでどんな風にデビューして活動するのかわからないけれど、デビューしてからこのグループのことを知った人にぜひ温かい声を掛けて欲しくて、温かい目で見て欲しいと思っている。
思惑や戦略のないアイドルはいないけれど、何かしらの利益のために生まれるものかもしれないけれど、物語のないアイドルはいないし、気持ちのないアイドルはいないと思うんだ。どっかの芸能人のように私も願う。「アイドル」「48グループ」「K-POP」を好きになってほしいとは言わない。マイナスな思い込み、レッテル、偏見が少しでもなくなれば、誰かの目線が「意外といいじゃん」に変わるきっかけにどこかのアイドルがなってほしいなと思う。