門限の9時

ここに無い魔法 帰りの電車

奇跡と呼ばせはしない

結成8周年おめでとうございます。


もう8周年か…そんな感慨深さが一番に来る。

去年も結成日に文章を書いた。
いつもタイトルは悩むのだが、その記事に「今はまだ見えなくても必ず辿り着く」というタイトルをつけた。
あの日から1年。去年は、まだ見えなかったものが見えるようになった気がしている。


Hey!Say!JUMPがデビューした時、櫻井翔くんが
「Hey!Say!JUMPらしいグループになってください」という言葉を贈ってくれた。

"Hey!Say!JUMPなのにHey!Say!JUMPらしいグループを目指す"
嵐らしさを追い続けて来た嵐だから言える言葉であり、深いなと思ったが、深すぎて当時の私には指の隙間から零れ落ちていくような、そんな実態のない言葉だった。

2年後、嵐は盛大に10周年を迎え、一躍「国民的」と呼ばれるグループになった。

私は、そんな嵐の姿を見ながら
"JUMPも嵐みたいになってほしい"と思った。
その時から、Hey!Say!JUMPの10周年を意識するようになった。
先を行く嵐の姿が、いつしか「Hey!Say!JUMPにも辿り着いてほしい場所」になっていた。

しかし、こちらが「辿り着いてほしい」と強く思っている場所であったとしても、JUMPもそう思っているかというのはずっと分からなかった。
どこに辿り着くのか、どうすれば何が見えるのか、それすら見えない時間がずっと続いていた。
"Hey!Say!JUMPらしい"ならそれでいい。
「らしさ」も上手く表現できないのに、都合の良いこの言葉を逃げるように使っていた。
それでも尚、"Hey!Say!JUMPらしさ"の模索は続いた。華々しい活躍をしていく他のグループと比べると、ちゃんと進めているのか、あの場所に「辿り着いてほしい」と思い続けていいのか、わからなかった。出口の見えない迷路の中をさまよっているような気もしていた。



2014年7月のインタビューで、山田くんが初めてグループの10周年について触れたとき、「こうなっていたいという目標より、今が大事」だと言っていた。
メンバー個々の活動が増え、山田くん自身も自分のことを考えられるようになった時期だった。

それから程なくして、結成8年目の2015年4月。Hey!Say!JUMPは初となる「24時間テレビ」のメインパーソナリティに抜擢された。
「嵐のワクワク学校」にも出演させて頂くことになった。

最初は、どちらも上手く飲み込めなかった。
大先輩V6との二世代パーソナリティに、JUMPはまだ単独で任せてもらえる知名度もなければ、そういう器になれていなかったのだと思い知らされた。
それまで、個人仕事やレギュラー番組など、かつてに比べたら環境も風向きも変わったような気がしていたけど、まだまだ遠いのだと思った。
ワクワク学校も、嵐あっての仕事だったし、ただでさえ倍率の高いイベントにJUMPが出演するのも申し訳ないような気持ちが真っ先に込み上げてしまった。
そして何より、JUMPにとっては全て初めての大仕事であることに変わりはないのだけど、いまいち「らしさ」に欠ける、仕事のような気がしてしまった。
先輩の通った道をただ歩くように見えてしまって、なんだかなと思ってしまう部分もあった。



でも、そんな思いはすぐに消えた。この二つの大きな経験を通して、得たものの方が圧倒的に多かったし、JUMPの何かが変わったのもまた事実である。

メンバーが「嵐みたいになりたい」と初めて口にした。
Hey!Say!JUMPという看板をみんなで背負えるようになった。
全員が10周年を意識するようになって、今を次に繋いで行こうという意識が芽生えた。
Hey!Say!JUMPを好きと言ってくれる人たちや、かわいがってくれる先輩方も増えた。


夢が夢のままでいられなくなっている気がしている。
これからの一歩は、きっと今までより大きいし、今までより力になっていくかもしれない。
だからこそ、その一歩をできる限り最大限の一歩にしてほしいと思うし、「今はまだ見えなくても必ず辿り着く」と、踏み出し続けた一歩一歩の延長線上にあるということをどうか忘れないでほしいと思う。
手を伸ばすだけでは、さすがにまだ届かないかもしれないけれど、走り続けたら、きっと夢見た場所に辿り着けるような気がしている。


Hey!Say!JUMPは、そこにHey!Say!JUMPがいる限りなくなることのない、いつでも帰って来れる場所である。
でも、その場所は、もう誰かが与えてくれた場所なんかじゃないのだ。居場所ではなく自分たち自身なのだ。
「Hey!Say!JUMPらしいグループ」。その片鱗が見えつつある。
辿り着きたいのは、「嵐」ではなく、「嵐みたいなグループになったHey!Say!JUMP」である。


"奇跡と呼ばせはしない"
Hey!Say!JUMPはHey!Say!JUMPの歩み以外の何物でもないのだ。
不可抗力ではなく、自分たちの選択、一歩の事実なのだ。

次の一歩が、奇跡でなく、夢に近づく一歩となりますように。
その一歩一歩を、私はずっと見ていたいと思います。


Hey!Say!JUMP結成8周年、おめでとうございます。