門限の9時

だんだん未来広がってく

【歌詞分析】作詞から迫る八乙女光<『君』編>

私はずっと"八乙女光"という人間に興味がある。
それ故、「夢は八乙女担当になること」と掲げる始末*1だが、この気持ちがファンとしての好意なのか甚だ疑問ではある。
でも、彼のことをもっと知りたいと思うことに変わりはない。

だから、知ろう。
昨年夏は、「八乙女縛り」と題したドル誌5誌の約5年分くらいの発言をまとめるという楽しく過酷な自由研究を行った。しかしそれは、まとめるだけで終わり、研究と言えるものに出来なかった(それで十分だわw)。
今年は、いつか昨年夏の成果も役立てるための初期研究として【歌詞分析】しようと試みた。いや、順番は逆だ。まず手っ取り早く彼の何かに迫れると思い、彼の作った曲を聴いた。
ちょうど良いタイミングで、来週には、ニューアルバムが発売される。今まで発売されたアルバムでは、コンスタントにグループの楽曲を制作してきた彼だが、今回はユニット曲のみ、しかも共作にとどまっている。
これまで、彼が作詞に携わってきた曲は、ちょうど10曲*2。彼が今までどんな言葉を並べて曲にしてきたのか分析してみたいと思った。
仮説も結論もないひたすらに拙い分析なので、あまり期待せず読んで頂けたら。
[追記]もちろん、学問的なものではまったくありません。


*対象楽曲

・「いま進もう」(作詞)
・「INFINITY」(作詞)
・「アイ☆スクリーム」(作詞、作曲)
・「Score」(Rap詞)
・「ス・リ・ル」(Rap詞)
・「パーフェクトライフ」(作詞)
・「サム&ピンキー」(作詞)
・「Aino Arika」(Rap詞)
・「コンパスローズ」(作詞)
・「Come back...?」(作詞、作曲)
 
以上10曲


※「ご本人の意図」とは違うことを言うかもしれませんが、八乙女光初心者と見なして頂き、ご愛嬌ということでお願いします(笑)そことのリンクはまたいつか。


【頻出語】から見る八乙女光

頻出上位50語

まず彼の作詞した10曲を通して、多く使われている言葉を分析*3しました。

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画像見えなかったら申し訳ありません

どうですか?ソフトで(機械的にですが)抽出された単語が2,300語ありましたから、その0.01%を『君』という単語が占めているということになります。
個人的には、正直意外な結果でした。八乙女光作詞曲と言ったら"向上心の塊な自己啓発曲"(別の言い方があったかもしれないw)的なイメージがあって、『夢』とか『未来』しかない!みたいな結果を想像しながらこの分析を始めたのもあって、頻出語の結果だけでも面白いなと思いました。

作詞の全体的な特徴

確かに、自分が歌詞を打ち込み作業をしていて一番感じていたのは「直接的な表現があまりなく概念的である」ということでした(この影響で自己啓発なんて言い方をしてしまいました)。

例えば先ほどの表を見て頂いてもわかるように、確かに、『夢』という単語は9番目に多く使われているという結果が出ています。しかし、もっとよく見ると、『希望』とか『叶える』とか『向かう』とか『道』など、彼の楽曲を聴いていると、どう考えても『夢』や『未来』のことを指しているような言葉が広く多く使われているということに気づきます。
私がただ単に『夢』や『未来』のことだと解釈している部分も、もしかしたら大きいかもしれません。現に、『未来』という単語は全歌詞の中で1度しか使われていませんでした。
このように、彼の詞は遠回しな表現で伝えるセンスで出来ているようだということが分かって頂けると思います(ややこしい~前途多難!)。

概念化

そこで、先ほどの表に、こんなふうに同義語・類義語だと感じる単語に色づけをし、概念から攻めて(?)行こうではないかという考えに至りました。

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上位50位に入らない単語にも同義語・類義語(『昨日』と『過去』など)や、単なる表記の問題で別の単語と識別された単語(『君』と『アナタ』など)もありますので、以下の通り、個人的に概念化(="コーディング")してみました。

*一人称

『僕』『自分』『ボク』『俺』

*二人称
『君』『アナタ』

*三人称
『みんな』『誰』『人』『者』『大人』『ヒーロー』『子供』

*夢
『夢』『希望』『目指す』『叶う』『叶える』『思う』

*未来
『未来』『先』『行く』『明日』『道』『向かう』『登る』

*現在
『今』『今日』『まだ』『いま』『いつか』

*過去
『昨日』『過去』

*苦悩
『不安』『不満』『悩み』『転ぶ』『辛い』『続く』『くやしさ』『悔しい』『荒波』『くじける』『曇り』『怒る』

太字の部分はあくまで"概念"と捉えてください。厳密に「三人称じゃない」とかいうのも分かっていますので(笑)
これらを取り出したのは、歌詞を見ていて強く印象に残ったからという理由だったり、一つの概念としてまとめたほうが彼を知るということがスムーズにできる気がしたからだったり、です。単刀直入に言えば、私自身がこれらの言葉を通して八乙女光語れるようになりたいからということです。とっても不純。

それでは、この概念を元にそれぞれ見ていきましょう。

八乙女詞を読み解く

【二人称】と八乙女光

先ほどの、頻出語で一番多く使われている結果が出た『君』を含む【二人称】から見て行きたいと思います。

①『君』

『君』という歌詞は、それぞれの楽曲で以下のように使われています。

アイ☆スクリーム」・・・1回
「ス・リ・ル」・・・・・・1回
「パーフェクトライフ」・・2回
「サム&ピンキー」・・・・2回
「Aino Arika」・・・・・・4回
「コンパスローズ」・・・・5回
「Come back...?」・・  ・8回  計23回

具体的に歌詞には、このように登場します。

アイ☆スクリーム
の中のLOVELOVELOVE


「ス・リ・ル」
と息敏感に合わせ


「パーフェクトライフ」
と目指す場所登ってる今がパーフェクトライフが笑顔になる そのタネを知りたいよ


「サム&ピンキー」
今 と出会えたのは たぶんI need you
今 と出会えたのは 絶対I need you


「Aino Arika」
無にするのが無理なぐらい に夢中な僕の意識は空中
求めるの今の気持ち
証明出来るなら、の正面に立ち
今俺が相当、に酔ってる寄ってる気持ちは本当


「コンパスローズ」
風は止まらない 今も同じ事を考えているのかな
どこまで行くの? とは笑うけど
と同じ事を考えているんだよ
どこまで行くの? とは笑うけど
と同じ事を考えているんだよ


「Come back...?」
の手がまた冷えた想いに迷いを生む
脳あるは爪を隠すCat
またを愛してしまう
どうした?の散乱する愛
の答えは僕の想い掻き乱してるつもりかい?
の目は冷えた心の傷に染みるだけ
またを騙して笑う
どうした? の散乱する愛

と、言われても、そもそも曲調が違うし、なんとも言えないデータでしかありません。
ですので、『君』とその他の語の関わりを数値で表してみました。

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ご覧の図は、『君』と関わりの強い単語、上位50語です。
この数字の単位は"回"です。
『君』が出現する付近に居る回数というふうに捉えてください。

例えば、最も高い数字が出ている『今』の場合、『君』という単語が出現した23回のうち0.304回は『君』という単語の近くに居るということになります。続く、『する』が0.174回、『LOVE』『笑う』『考える』『また』は0.130回(『LOVE』はご存知「アイ☆スクリーム」での多用)という結果となり、これらの単語が比較的、八乙女光作詞曲の中で『君』という単語との結び付きが強そうだと考えることができます。

『君』の登場した23回のうち、8回が「Come back...?」ということもあり、この曲の雰囲気を醸し出したような結果になってしまいましたが、『君』という単語を使用する回数自体も、近年になるにつれて多くなっている傾向が現段階では見受けられます。
深読みすれば、彼にとっての"今"が、二人称である"君"のように近く大事な物になってきているとも取れるような変化なのではないかと考えることもできます。

また、『笑う』や『僕』といった単語が『君』と強い関わりを示しているのもとても興味深いです。


②『アナタ』

『アナタ』は計5回。以下のように登場します。

「サム&ピンキー」
今の世界で この地球で アナタとボクがほら出会った これを何と言う?
こんな世界で こんな地球で アナタとボクが今笑い合う これを何と言う?
今の世界で この地球で アナタとボクが ほら出会えた
こんな世界で こんな地球で アナタとボクが今笑い合う これを何と言う?
今の世界で この地球で アナタとボクが ほら出会えた

『アナタ』という単語は、「サム&ピンキー」でしか使われていません。

ここで、①と同様、『アナタ』とその他の単語との関わりを見てください。

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お分かりの通り、「サム&ピンキー」の歌詞に出てくる単語が示されています。先ほどは上位50語でしたが、今回数値が出たのはこれらの単語のみです。しかも比較的高い数値が出ていることから強い関わりがあると考えることができます。

何より、先ほどの『君』の結果と大きく異なる点は、最高値1を示す単語が4語もあるということです。
この1という数値は、『アナタ』があるところに必ずあるということを示します。
『世界』『地球』『今』『僕』故に、数値上でも、『アナタ』という単語が「サム&ピンキー」でしか使われていないということが分かる結果だと言えます。


ここで注目したいのは、「サム&ピンキー」での『君』の存在です。

参考までに、「サム&ピンキー」における『君』の使われ方は、以下の通り。

今 と出会えたのは たぶんI need you
今 と出会えたのは 絶対I need you

『アナタ』と『君』の共存する歌詞は、この曲以外にありません。
歌い出しから5回を"『アナタ』と出会えた"と歌い、最後の最後で、"『君』との出会い"を歌っています。
ここでの『アナタ』は、同じ二人称でも、不特定を指す三人称のような広い意味で使われているということを読み取ることが出来ます。または、『アナタ』と『君』は違うと解釈することもできます。


『君』が登場する楽曲の中の「アイ☆スクリーム」では、ずっと『僕』と歌われてきたところが最後の1回だけ『君』と歌われています。

ここから読み取ることができるのは、『アナタ』が広い意味なのではなく『君』が限定的なのではないか、ということです。
先ほど①で、『君』という単語との関わりの強い単語として、『今』と『僕』が挙がったと述べました。
『君』と『今』と『僕』*4が繋がることで生み出せるのは、限定、特定された"狭い世界観"ではないでしょうか。これまで『アナタ』と歌っていたところを『君』にしたり、『僕』と歌っていたところを『君』にしたり、といった、効果的に『君』という言葉を使った歌詞は、彼が得意とする"非現実の中に急に誰でも共感できるようなポイントを作る"*5というコントラストの表現に一役買っている存在になっているのではないでしょうか。

もちろん、他の曲でも同じ効果を感じることができると思います。
"非現実の中の共感ポイント"を存分に発揮した「コンパスローズ」もまた、『船』や『空』や『海』などと言ったスケールの大きい言葉を散々用いたところで、「今君と同じ事を考えているんだよ」というフレーズをぶっ込み、"君への想い"のようなものが一層引き立ちました。
「Aino Arika」においても、Rap詞で『君』をふんだんに取り入れることで、"想いの強さ"や"真っ直ぐさ"を表現すると共に、『世界の果て』や『宇宙』、『未来』や『奇跡』のような壮大な歌詞とのコントラストを生み、相乗効果を生み出しています。


よって、
八乙女光作詞曲における【二人称】、特に『君』という単語は、
限定感、特定感でリスナーを射抜く止めの一撃!もちろん私のことでもなければ、『アナタ』のことでもない!食らうのは勝手だけど、勘違いするなよ!といった感じでしょうか(どんな感じだよ)


と、ここまで、かなり長くなってしまいましたが、週末3日で<『君』編>しか終わりませんでした・・・・・(これだけやってたわけじゃないけども)
この先、何部作になるのかも分からないですし、なにせこんなことやってる場合じゃない就活生orz・・・続きを書く気力が続くのか分かりません(苦笑)ただでさえ方向性のない文章なので、感想もクソもないと思いますが、「こいつバカなことやってるな」と思って頂けたら嬉しいです。


【一人称】や【夢】や【未来】はもっと興味深いと思うので、そこまでは頑張りまーす(笑)

*1:最近、実は夢ではなくなりつつある

*2:デビュー前のものも含む

*3:以下、データはKH coderを使用

*4:『君』と『僕』、『今』と『僕』の関係はまた改めて

*5:「Smart」特典インタビュー映像より